第2章 女泣かせの糸(高杉甘裏)
だが、最後までせずに、口から抜かれてしまう。
「あ……」
「何だよ、その残念そうな顔は」
「……」
「おめえさんに突っ込んでやるから」
「……」
期待に身体が震える。
「口でしながら、こんなに垂らしやがって」
知らず知らずのうちに垂らした蜜が、襦袢を汚していた。
「淫乱だな」
「……ん……」
「望み通り、挿れてやるよ」
脚が大きく開かれ、一気に怒張が身体を貫いていく。
「……っ……あああっあ、あ、あ、あ」
「おい、生娘じゃねえんだからよ、もっと力抜けって」
「……っ、う、う、……」
ゆっくりと奥までねじこまれる。
「全部入ったぜ」
「あ……」
お互いを見つめ、どちらかともなく唇を合わせた。
晋助さんの汗がしたたる。
唇を離すと、ゆっくりと抜き差しが始まった。
蜜があとからあとからあふれてきて、結合部からのいやらしい音が耳を犯す。
「どんだけあふれさせてんだ。漏らしたみてえになってるじゃねえか」
「やっ…ああっ……」
「や、じゃねえよ。イイんだろ、ほら。中がすげえ、うねってるぜ」
晋助さんに耳元で囁かれ、身体がびくびくと痙攣する。
「……ますます締め付けやがって」
「…あっ…ん…、だって、……イイ…」
頭の中までとろけたような声を出すことしかできない。
晋助さんの欲望が中で大きくなっていくのがわかった。
「…イイっ、あっ…やっ、おっきくな……そ……なにしたら、おかしくなっ……」
「もう、おかしくなってるだろ。上の口も下の口もドロドロにしやがって」
「…イイ…あぁん…あっ、ン…イイ…イく……」
そうやって、身体の下で狂いに狂わされて。
晋助さんのことしかもう目に入らない。
視覚だけじゃない。
五感が全て、晋助さんに犯されている。
「先に何度もイッてんじゃねえよ」
「やぁあ…、イッてるのぉぉぉ、そんな…突…かないで」
「嘘つけ、気持ちいいんだろ」
「あああ…ん…気持ち、イイ、よお……、あああああっ…、またイッ…く…あああああん」
何度イったのか、もう途中でわからなくなった。
回数なんて、どうだっていい。
晋助さんの形を身体で覚えてしまいたい。
他の男の記憶を上書きするように。