第23章 物想う秋への間奏曲
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また、目が覚めた。時計を見ると、午前3時だ。
先程から、4回位目が覚めているので、1時間おきに目覚めている計算だ。
眠りが浅いなぁ・・・。
私はゴロンとベッドで寝返りを打った。しばらく頑張って目を閉じていたが、やっぱり眠れなかった。眠気はどっかに飛んでいってしまったようだ。
仕方なく、私は起き出して、家の屋上に向かった。
一人になりたいときよく来るところだ。
扉を開けると、まだ暑さの残る晩夏の夜とはいえ、清涼な空気が肌に当たって心地良い。先程までちょっと息苦しく感じていたのだと、今更ながらにわかる。
2度、3度、深呼吸をする。周囲を見渡すと、しんと暗く沈んだ住宅街ではあるが、やはりポツポツと明かりが点っているところもある。
起きている人がいるのかな?
眠れない理由はわかっている。今日はもう日付が変わって9月2日だ。学校の初日。夏休みが明けて最初の登校である。
ちゃんと陽太くんを賭けたデートをしてから、約半月強、私は特に陽太くんと連絡を取り合うことはなかった。
連絡しあえるような仲に、結局なれなかったから。連絡する理由がなかったから。
たくさん原因はあったが、結局、そのどれもが正しくはない。言い訳にすぎないことくらい、自分が一番良く分かっている。
要は連絡をする勇気がなかったのだ。
でも、今日は後数時間に嫌でも同じ教室で顔を合わせることになる。
陽太くんにどんな顔で会えばいいんだろう。
陽太くんとちゃんは、どんな風になっているのだろう。
ちゃんは『キスしてもらえなかった』と言っていたけど、ふたりの関係が進展してしまったのは必至だ。
あーあ、あんな勝負、持ちかけなければよかった。
一応ルリには事の次第は話していた。そして、彼女からは『べっつに振られたわけじゃないんでしょ』という、至極ルリらしい回答を得ていた。
「忘れられる・・・?」
ちょっと口に出してみる。言葉にすると、それは金属のようにとても冷たくて無機質に響いた。ゴツゴツとしたその塊は、喉につかえて、とてもじゃないけど飲み下すことなどできない。
私の姿を見て、『素敵』と言ってくれた。
手を繋いで、一緒に歩いてくれた。
空を見上げる横顔。意外に長いまつげにドキッとした。
そして、抱きしめてくれた。