第23章 物想う秋への間奏曲
思い出が増えていく。増えた思い出は、忘れられない大事な気持ちになって、雪のように積もっていく。
この暑い夏、雪のように、静かに、静かに私の心を満たしていく。
そんな事を考えているうちに、また5分間、彼と会う時が近づいてきてしまった。
私の心は何一つ整理されていない。
教室で、たまに二人が目配せをし合っているのに、実は私は気づいていた。
今日行ったとき、もしそうされたとしたら、私の心はもつだろうか?
笑っていられるだろうか?
先にも進めない、あとに戻ることもできない。
こんな、こんなにも苦しい気持ちが『恋』というものなのだろうか。
だとしたら、こんな可愛らしい名前は、ふさわしくないように思う。
恋という言葉を考えた人への苦情の言葉を考えていたら、また5分、彼と合うまでの時間が近づいてしまっていた。