第19章 キスに焦がれる輪唱曲
レーシングゲームなのだから二人一組でなくても良い気がするが、それはそれ、カップルを対象としているが故なのだろう。一人はドライバーで一人はオペレーターというわけだ。オペレーターは、ナビを見ながら道を指示したり、別の機体を攻撃したりなどを担当するのだ。
をドライバーにするのはなんとなく男がすたる気がするので、ドライバーはボク、オペレーターをとして、ボクらはゲームをスタートした。
パリ・ダカールラリーをテーマにしているようだ。ボクらはまず車体を選択する。それから、装備品の選択、このあたりはが決めてくれた。そして、いよいよスタートである。
ピ・ピ・ピ
と秒を刻むカウントダウンが始まり、最後に「ピーン」という音とともに、各車が爆音を上げてスタートを切る。音が四方八方から降ってくるようで、これもリアルですごい。
車はすぐに街を越えて砂漠地帯に突入する。砂漠からはナビが必要だ。そして、ここからは各車が別の車両を攻撃してもいいことになっている。(これは多分本当のダカールラリーではダメだろう。当然)
「あ!陽太、もうすぐ左。あ!あそこ、あそこ!!別のやつがいる!」
が手元のスイッチを操作する。ボクらの車両の両脇からマシンガンが飛び出し、照準モードに入る。
「どりゃー!!!」
が女子としてはどうかという雄叫びを上げながら別車両を攻撃する。の腕がいいのか、見事に命中し、その車両はくるくるとスピンして、砂漠の丘陵を転がり落ちた。
おそらく、すぐに復帰は難しいだろう。
「よし!」
至って満足そうだ。こんな楽しそうなを見るのはいつぶりだろう?なんか、昨日の優子とのデートとは別の意味で来てよかった。
砂漠の丘陵地帯をボクらの車両は軽快に進む。少し盛り上がったところを通り過ぎると座席がバウンドするように跳ねるのもとてもリアルで楽しい。
ボンと跳ねると「きゃっ」とが小さい悲鳴を上げる。
可愛いなぁ・・・、もう。
こんなわけでボクとのコンビは割りと優秀だったようで、このゲームを8台中、第2位でクリアした。1位だと他のゲームで使えるポイントがもらえたようだったので残念だったが、十分楽しめた。