• テキストサイズ

彼女はボクに発情しない

第19章 キスに焦がれる輪唱曲


よいしょっ、っとブースから降りる。そして、なんの気なしにふと手を差し伸べてしまう。そうしてから『しまった』と思った。ちっちゃい頃のクセでついに普通に手を伸ばしてしまった。

調子に乗んな!と言われるかと思いきや、あにはからんや、は素直にその手をとってブースから降りた。の手を握るというのは彼女が発情したタイミング以外ではなかなかないことなので、それだけでちょっとドギマギしてしまう。

ボクが意識し過ぎなのかな?

「陽太、上手だったね。次、あれ!あれやろう!!」
がそのままボクの手を掴んで引く。

え?え?

彼女が僕の手を!?
小さい頃はそりゃあったさ。小学校2年生くらいまで。お祭りに行ったりすると、はよくボクの手を引いて走っていた。が転んで、それに巻き込まれてボクまで転んで、ボクだけ泣いたことがあったっけ。

次にが選んだのは、シューティングゲームだ。
これも、体感型でブース内で四方八方から襲いかかってくるゾンビやらモンスターやらを魔法の杖から出る魔法で撃破するというものだ。先程のゲームよりはシンプルだが、シンプル故に面白そうだ。

【2人プレイ】を選ぶ。最初に魔法の種類の切り替え方や魔力のリロードの方法の説明、チュートリアルが入り、いよいよゲーム開始である。

舞台は中世のヨーロッパみたいな仕様だ。ストーリーとしては、魔法使いの弟子たちが魔物の巣窟にある秘宝をゲットする、というもののようだ。

ザッザッザという足音が妙にリアルである。暗い森の中をボクらは進んでいる。
突然、右側からコウモリが飛び出してくる。さーっと風も吹いてくるというリアルさだ。び・・・びっくりしたな、もう!

前方に一群のゾンビたちが見える。どうやら戦闘開始のようだ。
ボクは火の魔法、は雷の魔法を選ぶ。杖を正面に振り下ろすとまっすぐに魔法が飛び、横に振ると範囲が広がった攻撃ができるようだ。

ボクらは割といいところまで行ったが、やはり初見でクリアできるほど簡単ではなく、秘宝が眠る城の手前でめちゃくちゃ素早く動く2匹のガーゴイルにライフを0にされてしまった。

「やられたー」
思わず口にする。も残念そうな声を出した。
/ 249ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp