第18章 誘惑のポルカ
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「ちょっと・・・接近し過ぎじゃない?優子ちゃん・・・?」
「さんこそ、わざと顔を近づけていましたよね?」
陽太と別れて予備校の二階、わたしたちの教室に向かう最中、思わず私は優子ちゃんに声をかけてしまう。
「その、リップ・・・反則・・・」
「下準備ですよ♪昨日、買ったんです。似合います?」
ニッコリと笑う優子ちゃん。大人しそうな顔をしていて、意外と侮れない。今日はリップに合わせて薄く化粧もしているようだ。普段より、可愛らしい。髪の毛もバレない程度に艷やかに見せるようにしている。
「おっぱい押し付けるのとか・・・うう・・・ずるい」
私にはできない芸当である。
「不可抗力ですもん。偶然です!それに、さんだって、手がぶつかるほど近いじゃないですか」
バチバチと見えない火花が飛び散るのがわかる。
教室で、前後の席に座りつつ、お互い顔を見合わせながら授業が始まるまでこんな感じである。これがここ毎日の私と優子ちゃんの日課みたいになっている。
例の勝負の約束をしてからというもの、笹本優子ちゃんはグイグイと陽太に接近するようになってきた。朝、駅前で待ち構え、一緒に行こうとする。その時も隙あらば陽太にアプローチをしてくる。
陽太は陽太で、優子ちゃんがちょっとウルルっと見つめるとすぐにデレるし、おっぱいを押し付けられたときも顔を赤くして喜んじゃって・・・。
そんな激しい優子ちゃんのアプローチに負けじと、私も陽太に身体を密着させんばかりに近づかざるを得ない。陽太が意外と『匂い』に敏感なのは知っていたので、コロンも工夫したりした。でも、それも優子ちゃんはすぐに分かってしまったらしく、同じように匂いにも気を使い始めている。
そして、今日は、唇のツヤを強調するような素敵なリップを付けてきている。女の子の私ですらいいなと思ってしまうようなつやつやリップに仕上がっている。
あ・・・侮れない。
大体、私は陽太と幼馴染ではあるが、陽太のことをそんなに深く知らない、ということをここ数日で嫌というほど思い知らされた。
陽太は何が好き?
どんな女の子の仕草が好きで、どんな言葉をかけられたいと思っている?
女子のタイプは?