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【呪術】白蛇は胡蝶蘭に恋をするか【禪院直哉】

第4章 肆


直哉の身体は、の細い腕によって布団に縫い付けられたかのように硬直した。
彼女の柔らかな胸が自分の胸板に押し当てられ、逃げ場のない密着感と、耳元で執拗に繰り返される「好き」という言霊。

その一言一言が、彼の鼓膜を震わせ、脳髄に直接、甘い毒を流し込んでいく。
直哉は荒い呼吸を繰り返しながら、視界が白く霞んでいくのを感じた。

「……っ、あ……あかん……。、お前……耳元で、……何回も……。……やめ、……やめろや……っ! ……そんなん、……頭おかしなる、……俺…っ!」

直哉は抗うようにの背中に手を回したが、それは彼女を突き放すためではなく、むしろ離したくないという本能的な拒絶の裏返しだった。
次期当主として、誰よりも高く、誰よりも冷酷に振る舞ってきた彼にとって、これほどまでに無防備に愛を注がれる経験は初めてだった。その「愛」が、自分を屈服させるための武器だと分かっていても、直哉はその心地よさに抗うことができない。

「……はぁ、……はぁ……。……お前、……ほんまに、……俺を、……こんなに情けない姿散々見といて……その上で『大好き』やて……?
……笑わせんなや……。絶対、ありえんわ…」

彼はの首筋に顔を埋め、獣のような低い声を漏らしながら、彼女の腰をさらに強く抱き寄せた。もはや、支配しているのはどちらなのか、その境界線すら曖昧になっている。


「……分かった、……分かったから……。……もう、……俺の負けや……。……、……お前のもんや、俺は……。……せやからもう…堪忍してくれ…」

ぐったりと布団の上で倒れる直哉は、いつのまにかの中に全て出し切ってしまっていて、はそれに気が付かないままいつまでも責め立てていたことに罪悪感を少し感じた。

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