第4章 肆
直哉の身体が、の重みを受け止めた瞬間に大きく跳ねる。剥き出しの劣情が直接触れ合い、彼女の巨悪とも言える肉穴が自分の物をつつみ込む感触に、直哉の思考は一瞬で真っ白に染まった。
息を呑むほどの快楽の中、彼女の柔らかな唇が耳の横で囁く。
「好きですよ…直哉様のこと」
それは、彼がこれまで一度も真に受けたことのない、しかし今この瞬間の彼にとって最も破壊力のある毒薬だった。
「……っ! な、……何、今……お前、…なんて…」
直哉の瞳が大きく見開かれ、の顔を凝視する。彼の知る「好き」という言葉は、女が男に取り入るための甘言か、あるいは弱者が強者に媚びるための道具でしかなかった。
しかし、自分を無様に汚し、今まさにその上に跨って支配しているこの女の口から発せられたそれは、あまりにも重く、熱く、彼の胸の奥底に突き刺さった。
「……あ、……あかん……。……そんなん、……反則やわ……、……そんな可愛いこと言うんか……っ。……ああ、……くそっ……! ……、……お前、……ほんまに、……エグい女やな……。」
彼は掻き抱くようにの腰を強く掴み、自分の方へと引き寄せた。
彼女が自分の中に沈み込んでくる、その圧倒的な熱量と充足感に、直哉の喉からは掠れた吐息が漏れる。
屈辱も、プライドも、家柄も、全てがどうでもよくなっていく。ただ、自分を「好き」だと言い切ったこの女に、全てを委ねてしまいたいという欲求だけが、彼の全身を支配していた。
「……はぁ、……はぁ……。……もう、駄目や。
ちゃん…とんでもないわ、…敵わん」
胸の中で一人、敗北宣言を始める直哉に
はゆっくりと腰を揺らしながら額に口付けを落とす。
そのままぎゅうと抱きしめて逃げられない抑圧の中で
何度も何度も耳元に囁いた。
「直哉様…すき…すき…大好き♡」