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【呪術】白蛇は胡蝶蘭に恋をするか【禪院直哉】

第4章 肆


朝日の柔らかな光が障子の隙間から差し込み、直哉は薄い布団の上で身を伸ばす。
隣で目を合わせる彼女の髪に顔を埋め、存在を確かめる。
彼の呼吸はまだ浅く、眠りの余韻が残るまま、指先が身体を抱きしめた。

「……ん、今日は抜け出してへんのか…
なんや珍しいな…」

直哉はゆっくりと顔を上げ、横に眠るの姿を見つめる。
金髪が朝光に照らされて煌めき、彼の眉間にわずかな皺が寄り、まだ覚めきらない意識の中で、彼女の返事を待つ。


は軽く笑みを浮かべ、直哉の胸元に手を添えて、温かな手のひらで軽く撫でる。
その動作はまるで、壊れかけた機械を丁寧に整備するような慎重さと、愛玩具を大切に扱う優しさが混ざり合っている。

「その代わり…朝食がまだできていません」
律儀な世話人としての言葉に、直哉はムッと眉を寄せた。
「なんや、可愛くないな」

起き上がると同時に直哉は座り直し、背筋を伸ばしながら足を軽く揺らす。
その姿勢は、まだ眠気が残る中で自分の権威を保とうとする意思の表れだ。
彼の眼差しは、彼女の結い上げられていく髪に向けられていた。

あっという間にいつものが出来上がる。
従順で、甲斐甲斐しい、ただの世話役の侍女。

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