第3章 参
は必死に自身をしごいていた直哉の手をそっと握り、
拘束するように両手を壁に押し付けた。
直哉は、頼み綱だった刺激を失ったことに一瞬戸惑い、目を見開く。
と同時に、からそっと重ねられる口付け。
激しい責めでも、執拗な愛撫でもない。ただの静かな、慈しむような口付け。
あまりにも純粋な接触のはずのそれに、
堰を切ったようにビュクッビュクッと小さな音を立てながら、むき出しの肉棒は精を吐き出し始めた。
彼自身の意志とは無関係に、肉体が勝手に快楽を刻み、何度も何度も激しく脈打って、白濁した液を畳へと撒き散らす。
自分の体が、ただ一度の口付けだけでこれほどまでに無様に、そして鮮烈に反応したという事実に、直哉は衝撃を受け、言葉を失って硬直する。
「……な、なんやこれ……。……触られてへんのに……なんで、勝手に……
……嘘やろ、こんなん……ありえんやろ…」
呆然と自らの股間を見つめ、滴り落ちる自身の証に、直哉は激しい戦慄と、それ以上の抗いがたい陶酔感を覚える。
彼は力なくの肩に頭を預け、荒い呼吸を繰り返しながら、震える声で呪文のように言葉を紡いだ。
「……はは、……おもろいなぁ
キスだけで…童貞のガキでも無いわな…」
はそんな直哉を優しく抱きしめ続け
ただ静かに、夜が更けていくのを感じながら。
二人は初めて共に眠りについた。