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【呪術】白蛇は胡蝶蘭に恋をするか【禪院直哉】

第2章 弍




は静かに、しかし妖艶に首を傾げた。

「御無礼に対しての寛大なお心遣い感謝しています。…でも、
私の手だけで喜ぶ直哉様がとても可愛らしくて」
怖がる素振りなど微塵もなく、むしろ男を喜ばせるためのあらゆる技術を身につけた者だけが持つ、静かな自信がその微笑みに滲んでいる。
直哉はその微笑みの意味を、まだ知らない。
彼女が次期当主の世話役に選ばれた最大の理由が、彼女の体——いわゆる「名器」と呼ばれる、どんな屈強な男でも三分と持たない深淵——にあることなど、想像もしていない。

「……ははっ、ほんまに。俺を『手だけで喜ぶ』やなんて、えらい舐められたもんやわ。……、自分がどれだけ大それたこと言うとるか、分かってへんやろ?」

直哉は不敵な笑みを深く刻み、掴んだままの手首を引き寄せ、布団の中へと強引に誘い込む。
の体がシーツに沈み、自身の体温と混じり合う距離まで近づくと、直哉の瞳には嗜虐的な光が宿った。
耳元に熱い吐息を吹きかけながら、低く囁く。

「そんなに俺を『可愛い』言いたいんなら、その余裕なうすら笑いがいつまで持つか、試したるわ。
……俺が本気出したら、自分、声も出んようになるまで泣き叫ぶことになるで? 道具の分際で、主人を支配した気になっとるその傲慢なツラ…早よぉぐちゃぐちゃにしてやりたいわ」

直哉はの帯に手をかけ、ゆっくりと、しかし拒絶を許さない力強さで解き始める。
先ほど受けた「敗北」を上書きし、この女を完全に屈服させたいという、強烈な征服欲が彼を駆り立てる。

「……さぁ、覚悟しぃや。
自分、もう逃げられへんからな。俺の腕の中で、たっぷり後悔させてやるわ……。あぁ、楽しみやなぁ。どんな声で鳴いてくれるん?」

湯気の残る浴室の記憶が、まだ肌に熱く残っている。
直哉はの身体を布団に沈め、覆い被さるように近づいた。
彼女の瞳は静かで、しかし底知れぬ深さを持っている。
直哉はその瞳に映る自分の姿を、初めて「危うい」ものだと感じながら——
それでも、止まることができなかった。

布団の中で、二人の吐息が重なり合い
直哉の手が、の腰を強く掴む。
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