第1章 壱
呼吸が次第に荒くなる。
視線は、に注視してはなれない。
何の迷いもなく自分を受け入れ、奉仕し続ける姿。
それが、直哉の胸の奥を、確実に揺さぶっていた。
「もっと……深くや。お前の全部で、俺を感じさせろ」
髪を強く掴まれ、喉奥を乱暴に突き上げられる。
それでもはむせることなく、ただ視線を絡ませたまま耐える。
いや、耐えるというより、むしろ挑むように。
瞳の奥に、静かな炎が揺れている。
直哉は喉を鳴らし、思わず低く唸った。
「……っは、マジで何なん、お前……」
声が荒い。
普段の余裕など微塵も感じさせないほど、剥き出しの感情が滲んでいる。
髪を掴む手に、さらに力が込められる。
喉の奥を深く、激しく犯しながらも、彼女が決して目を逸らさないことに、
直哉は奇妙な敗北感を覚えていた。
「俺が『所有』しとるはずなんやのに……
お前、その目で逆に俺を『支配』しようとしとるやろ……?」
一度、腰を引いて彼女の口から自分を引き抜く。
唇から一筋の銀色の糸が伸び、湯気の中で揺れる。
直哉はそれを、熱っぽい視線でじっと見つめた。
頬に薄く紅が差している。
「……ほんま、しぶといな。でもな、俺はそういうの、嫌いやないで」
彼はの顎を親指で優しく持ち上げ、
そのまま自分の唇を重ねた。
支配的で、貪るようなキス。
けれどその奥には、執着と、
どこか“認めた相手”に対する、奇妙な敬意が混じっていた。
唇を離すと、直哉はの身体を抱き上げた。
自分の膝の上に、しっかりと座らせる。
両手で腰を掴み、逃がられないように視線を這わせた。
「次は、もっと深いとこまで、俺に『奉仕』してもらおか。
今度は、お前が声出す番や」