第2章 奪われた初恋と手に入れた女
耳元で聞こえる直哉の声は、仁美の事情などお構いなしだった。
お互いの息が熱を帯びながら部屋の中に響いた。
激しくしなるベットの音を聞きながら、直哉は自分が射精するのが分かった。
その時に仁美のうなじが目に入った。
自分好みの白く細い肩に直哉の唇が触れた。
「っ!!痛っ!」
次に叫んだのは仁美だった。
直哉は自分が付けた歯型を愛おしそうにキスをしながら、仁美の体を強く抱き締める。
そして仁美の奥深くで射精すると、1番熱い息を仁美の耳元で漏らした。
背中に落ちた直哉の体温が、まだ仁美の腰にゆっくり沈んでいた。
お互いの呼吸だけが重なって、静かな夜気の中で熱を逃がしていく。
直哉は腕をほどくと、名残惜しそうに仁美の肩へ額を寄せた。
乱れた髪を指で払って、首筋へ伏せるように柔らかく、何度も、吸い付くようにキスを落とす。
「……仁美。」