第2章 輝石の額当て
天元は仁美の口の中に近くにあった羽織を仁美の口の中に押し込んだ。
自分で自分の舌を噛み切らない様に。
「うう…っ。」
仁美は腕を伸ばして、割れて散らばっている薬を取ろうとした。
「この薬を飲むのか?」
天元は薬を手に取ると、その匂いを嗅いだ。
匂いは漢方の臭いだったので、この症状を抑える為の薬だと理解した。
天元が薬を取ると口の中の羽織を取ると、仁美の口の奥に薬を押し込んだ。
「っ!」
天元の指が入った瞬間、彼の指は仁美に噛み切られた。
それでも再び仁美の口の中に指を押し入れると、隙間から水を注いだ。
しかし仁美はむせてしまって、水ごと薬を吐き出してしまった。
「………はぁ………。」
天元は腕の中の仁美を見て、忌々しそうに溜息を吐いた。
そして自分の口の中に水を含むと、仁美の唇に押し付けた。
仁美の口の中に舌を押し込めて薬と水を喉の奥まで飲み込ませた。
何度舌を噛まれても、天元は仁美の頭を掴んで何度も水を仁美に飲ませた。