第8章 4枚の婚姻状
その瞬間に、無惨の瞳孔が猫のように縦になった。
いつも仁美の前では穏やかに過ごそうとしていた彼の皮が剥がれた。
仁美の肩を撫でていた手は細い首元に巻き付く。
「っ!!ぐっ…っ。」
ギリッと手に力を込められて、仁美からくぐもった声が漏れた。
「……いいだろう…。その言葉を後悔する日はすぐに来るぞ。」
しばらく仁美の首を締めて、無惨は仁美から手を離した。
そして仁美の意識がまた遠くなる。
「仁美!!」
義勇に名前を呼ばれて仁美は目を覚ました。
目が覚めた瞬間に背中がヒヤリとするほど、汗をかいていた。
仁美は虚な目で、自分の顔を伺っている義勇を見た。
外はもう暗くて、時刻はもう20時を回っていた。
「… 仁美が夜になっても起きなくて…、ずっとうなされていたんだ。」
義勇は仁美を起こすかどうか悩んでいた。
夜に眠る仁美が珍しいので、暫くはそのままにしていた。