第8章 4枚の婚姻状
「…淫魔…。そうだな、私がそんな卑しい真似事をするのはお前くらいだろうな。」
彼をワザと怒らせようとした言葉でさえも、軽くあしらわれてしまう。
再び無惨の手が着物の合わせを開いた。
はだけた白い胸元を見て、無惨は躊躇することなく唇を押し付けた。
「う……っ…。」
無惨の舌が胸元を這うと、仁美は途切れた声を漏らした。
鬼に慣らされた体は簡単に彼に反応する。
そのように無惨が童磨に命令したのだ。
「…旦那様…やめて下さい…。」
懇願すら受け入れて貰えなくて、無惨の腕の中で仁美の体は熱を込めていく。
「…旦那様…私…。」
仁美は胸を舐める無惨の髪に指を絡ませながら、仁美は一度喉を上下させた。
「…私はもう……貴方を愛していません…。」
仁美のその言葉が無惨の動きを止めた。
そう告げた後、仁美は胸が締め付けられるように痛くて、唇は震えていた。
もう彼を愛してはいない。
その言葉を口に出した時、それが真実なんだと自分でも気が付いた。