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時計塔と忘却の行方[dzl]

第41章 最後に


「帰るんだよね」
 いつも察しのいいおんりーが、僕に言った一言。僕は俯いた。帰らなきゃ、という言葉が出てこない。
「寂しくなるよ、ユメトくん」
 おらふくんは僕の目の前に来て握手をした。おらふくんの格好は真っ白で雪みたいなのに、手が温かかった。
「じゃあまたな」
 控えめに手を振ったMENは少し遠慮がちだった。おい、どうしたんだよとぼんさんに小突かれてMENは目の前に来て、時計塔のこと頼んだと、小声で僕に言った。
「ありがとう、ユメトくん。ぼんさんたちをここまで連れて来てくれて」
 そして、僕にそう言って真っ直ぐ見つめてくれたドズルさんは、笑っているけど真剣そうで僕はちょっと緊張した。僕、そんなに大したことしていないのに。というかうっかりこっちの世界に来ちゃっただけなのに。
「こちらこそ、ありがとうございました」
 僕は深く頭を下げて、ネザーゲートをくぐった。
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