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時計塔と忘却の行方[dzl]

第23章 奇妙な部屋


「ってことはこの部屋、間違い探しなんじゃない?」と言い出したのはおんりーだ。「記憶を辿れ……正しいコレクション部屋を当てたら次の部屋に行けるのかも」
 それからおんりーは最初に見つけたヒントの紙を眺めて呟く。僕ももう一度その紙を覗き込んで、書いてある文字を確かめた。
 記憶を辿る。これはもしかして、ぼんさんと見た正しい記憶を見つけろってこと?
 それってまるで時計塔が、ぼんさんの記憶と結びついているみたいだ。そんな現実離れした考えが僕の中でふんわりと浮かんだところで、おらふくんに呼ばれた。
「ユメトくん、こっちの部屋が正解みたいよ」
「今行く!」
 そうして僕は、三人のいる正しい部屋へ向かった。他の部屋は、置かれているコレクションの場所が違ったり、物がなかったりしていたんだそうだ。僕は一度しか見たことがなかったから細かい違いは思い出せなかったが、正しい部屋にある小麦の種を見た時、ぼんさんのなんだか嬉しそうな横顔を思い出して早く会いたいなと思った。
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