第17章 コレクション部屋
他にも、剣や弓矢を見せてくれたが、もう手入れはしていなくて錆びたり埃を被ったりしてもう使い物にはならないようなものばかりだった。
飾りのついた防具はまだ綺麗だったが、僕たちからしたらブカブカで、腰の曲がった今のぼんさんでももう身につけられないような装備もいくつかあった。
ただもっと目を引いたのは、大きな絵画だった。絵画は抽象的だったが、よく見なくても誰かがドラゴンに向かって戦っている絵で、この絵の話を聞いてみると途端にぼんさんが楽しそうにドラゴンを討伐した話をしてくれたのだ。
「それで、こっちにドラゴンの頭があるでしょ。エンドシティにあるものなのよ」
とぼんさんは付け足し、お話はエンドシティまで広がっていった。
「これ使ってエイムトレーニング出来るな」
「僕たちいつもこれで遊んでいるんよ」
とMENとおらふくんが言って手にしていたのは銃。そんなもの持ったら危ないと思ったが、横でおんりーがクスリと笑った。
「おもちゃの銃だけどね」
「これがおもちゃの銃なの?」
それにしてはとても本物っぽく見える銃だった。
そうだよ、とおんりーが銃を壁に向けると、パーンと紙吹雪が飛び出してきて驚いた。パーティ用にクラッカーとして改造された銃らしい。
「クラッカー銃はMENが作ったんよ。ね、MEN?」
「ああ、そうだったな」
MENは手先が器用みたいだ。今度僕にも、おもちゃの改造の仕方、教えてもらえるかな?
「ユメトくん、これで一緒に遊ぼうよ!」
「うん!」
僕はおらふくんに誘われて、おもちゃの銃でたたかいごっこをした。おんりーやMENも一緒に遊んでくれて、学校の友達と遊ぶより楽しくてあっという間に夕方になっていった。
夕方になるといつもの鐘の音が鳴って、そこで静かに座っていたぼんさんが立ち上がって声を掛ける。
「はーい、もう時間だから帰りなさーい」
これが、僕のいつもの時間の過ごし方となっていった。