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時計塔と忘却の行方[dzl]

第13章 ピアノ


「時計塔でお祭り、楽しそうやね」
「うん!」
 おらふくんの言葉に僕はそう返事をすると、MENが考える素振りをしながらこう言った。
「確か、二十年前にピアニストが急にいなくなってお祭りもやらなくなったんだっけ」
 二十年前なんて僕たちまだ生まれてもいないのになんで知ってるんだろうと不思議に思ったが、MENは趣味で古い新聞を読んでいるらしく、自然と覚えたと言っていた。
「だからここに来た時は、自由にピアノを弾いてもいいよ。お父さんたちには、ピアノの練習をしてきたって言って置けばいいし」
 とぼんさんは言い、僕に向かって微笑んだ。僕もピアノを弾いていたといえば怒られない気がしてきたし、普通にこんな綺麗な場所でピアノを弾くのは楽しそうと思ってきていたのだ。
「あと気になるのは、なんでぼんさんがピアノの上から落ちてきたかってことなんですが」
 と落ち着いた言葉で質問をしたのはおんりーだ。それは僕も気になっていたことだ。
 するとぼんさんは得意気そうにニヤリと笑って、それはね……と驚くことを語り出したのだ。
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