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時計塔と忘却の行方[dzl]

第2章 時計塔の噂


「時計塔には面白いもんがいっぱいあるんだ!」
 学校の友達が帰りの途中、そう話してくれたことがきっかけで僕は時計塔のことを知った。友達が言うには時計塔には見たこともない道具や秘密の場所があって、毎日探検しても飽きないし、隠れんぼするにはうってつけだと言う。
「でも、時計塔の人に怒られるんじゃないの?」
 と僕が言うと、友達はこう言ったのだ。
「ぼんさんは目が見えないからいいんだよ。だってオレたちに気づかないし!」
「そうなんだ」
 僕はその時、目の見えない時計塔管理主さんのことをそんなに可哀想だとか思わなかった。ただ、友達の言う見たこともない道具や秘密の場所に、早く行くことだけを考えていた。
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