第12章 再会
「良かった〜、元気そうで……!」
時計塔にやって来ると、腰の曲がったぼんさんがすぐに抱きついてきて僕は驚いた。
話を聞くと、釘を打った時に怪我をさせてしまったから、嫌になって来なくなったんじゃないかと心配していたみたいだ。そばにいたおらふくんもMENも、そんな心配しているぼんさんのために僕のことを探していたらしい。
「きっと気にしてないですよって僕は言ったんやけど、ぼんさんを安心させるためにもユメトくんからお話聞こうと思ってて」
とおらふくんが言うと、後ろでMENが冗談っぽくこう付け足した。
「おらふくんも寂しがっていたけどな」
「MEN、それは言わなくてもええやん〜」
「ハッハッハッハッ」
恥ずかしそうにするおらふくんに、ケラケラと笑うMENを見て、僕は本当に面白い子たちだなぁと思った。僕はこんなにも優しくて面白い友達から、遠ざかっていたのだと思うと後悔の気持ちが押し寄せてくる。
「みんな、ごめんね。お父さんとお母さんに行くなって言われてて」と僕は話した。「でも、お父さんもお母さんも悪くないんだ。もう少しでピアノのコンクールだから、ちょっとイライラしてただけかも」
僕も何も考えないで毎日を過ごしていた訳じゃない。僕はずっと考えて、どうして時計塔に来ちゃダメなのか今思いついたことを話してみた。僕はお父さんとお母さんのことを悪く言いたくなかったから。
「ピアノ? ユメトくん、ピアノ弾くの?」
と聞いてきたのはぼんさんだった。僕はうんと頷きながら返事をすると、そうかそうかと一人何かぶつぶつ言いながら、こっちにおいでと手招きされた。
「あ、僕が付き添いますよ」
すぐにぼんさんの横にはおらふくんが来て、僕は三人並んでどこかに向かった。後ろにはおんりーとMENがついて来たけど、ぼんさんは見えないから壁や荷物にぶつからないようにと手際よくサポートしながら助けているみたいだった。僕もいつか出来るようになりたいなと思った。