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その琥珀色の瞳に映るのは・・・

第4章 その手を振り払ったのは・・・


侯爵家の娘から気に入られて援助してもらっているそうだが、束縛が激しく気が強くて自由がないと嘆いている。私も同じ扱いを受けているのではないか?だったら、共に何処かで静かに暮らそうなんて世迷言の内容だった。

私を連れて自由を得て、私だけを働かせて自分は自由に生活をすると考えているのだろうな。あの男が考えそうな事だ。何処まで私を馬鹿にすれば気が済むのやら。

「これはまた・・・随分、自分本位で目出度い頭をしているのだな。あの侯爵家は執念深くて有名だ。逃げられる訳がなかろうに。」
「そういう男なんですよ。自分のことしか考えていない。」
「返事は息子から書かせよう。いいよな?」
「ワザワザ書かなくても。」
「こういうヤツには、現実を教えてやった方がいい。我が息子ながら、ルクターはそういう意味では私以上に容赦ないから任せておけばいい。手紙は預かっておく。」
「分かりました。お任せします。すみません、私のせいで面倒事を引き入れてしまって。」
「スミレは我がステイサム家の家族だ。家族なら助け合うのは当たり前だろう?だから、案ずるな。」

その夜、その手紙を読んだ旦那様は読み終わるなりその手紙を魔法で燃やしてしまった。笑顔を浮かべたまま、大激怒している。

「売られた喧嘩は買わないと貴族の名折れになるだろうから、精々今の平穏を楽しんでおけよ。」

思い切り物騒なことを言っている。

「あの男が娼館に入り浸っているそうだ。」
「えっ?娼館?」
「幾らパトロンとはいえ、相手は侯爵家の令嬢だ。あの男に身体を許す訳がない。あの男のことは、ペットくらいにしか思っていないだろうからな。」

ペット扱いなのか。でも、ざまぁみろとしか思わない。

そこで思い出したのは、先日の図書館で会った女の子のこと。まさか・・・取引会社の娘とは?確か、ハーフで西洋系の容姿をしている美人だと聞いたことがある。若かったけれど、更に年齢をごまかしているのかもしれない。

そして、あのゲームは巷では有名だった。だから、知っていてもおかしくない。うわぁ、関わりたくない。

「ルクター様、先日の生徒さんとどうなりましたか?」
「あの生徒なら、潰しておいた。」
「えっ?それって・・・。」
「私に全て任せておけばいい。私からスミレを奪う相手も、スミレから私を奪おうとする相手も等しく制裁を与えるつもりだから。」

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