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その琥珀色の瞳に映るのは・・・

第4章 その手を振り払ったのは・・・


「まだ、一年じゃ先生の攻略は無理か。頑張って親密度上げたつもりだったんだけど。ヒロインはあの王子を気に入る様に押し付けたから心配はしていないけど・・・やっぱり、先生が一番素敵だなぁ。三年まで待てないし、もっと関わりを持ってどんどん親密度を上げなくちゃ。ヒロインもまさか異世界トリップした私が、先生狙いだなんて気づいていないから馬鹿だよねぇ。早い内にあの王子に誘導しておいて良かったぁ。放課後はいつもの場所でいるから絡みやすいし、学園が始まったらドンドン推していかなくちゃ。」

いきなり、大量の情報を得ることになって頭が上手く働かない。この女の子、ゲーム攻略者だ。話しからして、ヒロインも最初は彼を・・・。

「あ、先生がこっちに来てる?まさか、この後、デートに誘われたりして?」

なんて声も聞こえてきたけれど、彼が声を掛けて来たのは私にだった。そこで初めて、私の存在を認識したらしい女の子。かなり驚いた顔で私を見ている。

しかし、女の子は私をゲームの中の彼の婚約者だと勘違いした。私の身体に穴が開きそうなくらいに睨みつけている。

「待たせた。」
「い、「先生、そちらの方は?」」

私たちの会話を遮ってきて女の子。

「キミですか。彼女は私の妻ですよ。」

顎が外れそうなくらい大きな口を開けて驚いている。

「妻?婚約者じゃ・・・。」
「いいえ、正しく私の妻です。私からアプローチしまくって射止めた愛しくて唯一無二の大切な女性なんですよ。」
「届けも・・・。」
「えぇ、もう済ませています。」

絶望に落ちた顔をしている。ゲームでは、婚約者だったものね。

「ウソ・・・まだ、この時は婚約者だったはずなのに。結婚しているなんてウソ・・・。」
「愛しているんです。」
「えっ?」
「私たちは愛し合っています。ですから、必要以上に関わらない様にしてくださいね。今までの様に。」

あの時と同じ、容赦ない拒否というか拒絶。表情は柔らかいのに、言葉は冷たい。

「子供相手でも、私の妻を傷つける様な事になれば容赦しませんから。いいですね?」

有無を言わせない物言いに、女の子は力なく頷いた。しかし、女の子は彼の言葉を間には受けていなかった。それは後になって知ることになるのだけど。
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