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その琥珀色の瞳に映るのは・・・

第4章 その手を振り払ったのは・・・


なんて事を言いながら、私のこめかみにキスをする。

「もう少しで学園が始まってしまう。だから、時間の許す限り愛するスミレを見ていたい。ただそれだけだ。」
「そ、それはその・・・私も寂しいですけど。」
「出来る限り最大限にスミレとの時間を確保するつもりだ。」

そう言えば、暦からしてゲームの世界では二年目の学園が始まる。ヒロインとはどんな状況なのだろう?それより、ヒロインは誰を攻略しているのだろう?

相手がヒロインなだけあって、不安で仕方ない。

「ル、ルクター様・・・。」
「ん?」
「こ、子供は何人欲しいですか?」

ん?今、私は何を言ったの?子供?あ、ルクター様が赤くなっている。

「・・・授かりものだが、そうだな・・・五人くらい?」

思ったより多かった。そりゃあ、裕福な伯爵家だ。生活に困ることはないだろうけれど。

「出来るだけたくさんってところかな。」

まだ、増えそう?

「許す限り、たくさん愛し合おう。私は一人っ子だったから、兄弟に憧れがあったんだ。楽しいだろうな、私とスミレと私たちの子供たちとの生活は。それでも、私が一番大切にするのはスミレだがな。」

そんな甘い時間をその辺で留めておいて、彼が見繕ってくれた書物を屋敷に届けて貰える様に手配してくれることになった。私はその間、近場の書棚で、物語などの書物を眺めていたら・・・図書館にそぐわない姦しい声が彼の名を呼んだ。

見た目は学園に通う学生くらいの年頃の女の子。彼は卒ない笑みを浮かべて何かを話していたのだけど・・・先生が生徒に注意をしているかの様な雰囲気だ。

図書館に相応しくない立ち振る舞いを諫めているのだろうか。それでもへこたれない女の子は何やら一方的に話し掛けている様だけど、彼の立ち入らせない壁みたいなものが見えた気がしてそう言えばこういうキャラだったなと思い出していた。

体よくあしらわれた女の子が、彼に追い払われてこっちへと来た。書棚を挟んで向こう側にいる。独り言を呟いている様で、こんな声が聞こえて来た。

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