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好意は好意のままでは終わらない

第12章 永遠


旦那様は、少々仏頂面だ。そういうところも可愛いのだけど。

「・・・じゃあ、時間ギリギリまで留美子を愛していい?僕のココ、留美子が欲しがってんだよね。」

そう言って、元気いっぱいの旦那様の大事なところを握らされる。確かに、朝だから・・・という理由だけじゃない様な。

時計を見れば、時間として三十分はまだ余裕がある。あるのだけど・・・。

「大丈夫、ちゃんと時間は守るから。僕と愛し合おう?ね?」

あちこちにキスされて、結局、そのままなし崩しに事が始まってしまう。そして、約束通りなんだけど・・・その頃には、私の方も離れがたくなっていて・・・ちょっぴり、寂しさを覚えてしまうんだ。

時間になり、スーツ姿の旦那様を会社まで送迎することにした。私も結局は、旦那様に感化されているのだろうな。

「ありがとう、送ってくれて。」

会社前で、私の頬にキスをしては笑顔で手を振って行ってしまった。そして、現実に戻るのだ。

「ううっ・・・腰が痛い。昨晩も凄かったけど、朝だって・・・何処に、あんな体力があるんだろう?家に帰ったら、少し休もう。」

車を走らせ、マンションへ戻る。戻れば戻ったで、元々は平凡な人間だ。部屋の掃除を始め、綺麗になった部屋を見て満足する私。

フト、目に入った冊子を手にして開いた。

私たちの結婚式から始まり、イギリスで撮った写真を集めたもの。一ページずつ大事に眺めては、いつの間にかポロポロと涙が零れていた。

再会してから、今日までの事を思い返す。元カレからあんなこっ酷い扱いをされて浮気されて・・・。あの時にカレに会っていなかったら、今頃、私はどうしていただろう?

今でも、一人で泣いて落ち込んでいたかもしれない。私は誰にも必要とされないんだと思って塞ぎ込んでいたかもしれない。

写真の中に映るカレの多くが、私に視線を向けているもの。その事が、私だけが必要だと言ってくれている様で心の底から幸福感を感じられた。

そして、写真の中で幸せそうに笑う私の表情。それは、全てカレが与えてくれた愛情の賜物。

「フフ・・・どの侑佑くんも・・・カッコイイなぁ。それに・・・私を見て、凄く・・・凄く幸せそうに・・・笑ってる・・・。」

可笑しくも無いのに、つい笑ってしまう。

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