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好意は好意のままでは終わらない

第11章 思い込み


「留美子ちゃん?次は、隠し事は無しだよ?私が侑佑に縁でも切られる様な事に成ったら「責任転嫁しないでよ。今回、ゴリ押ししたの兄さんじゃないか。兄さんこそ、また留美子さんに心労を掛ける様な事が起こったら・・・分かっているよね?」
「うん。ごめん。」

社長が謝った。私、もう既に半泣きだよ。

「ごめん、留美子さん。怖かったよね?大丈夫、兄さんの事が嫌なら僕が殲滅するから。」

イヤイヤ、社長を殲滅って・・・。あぁ、社長も涙目になってる。どれだけ弟大好きなのよ。

「あの人・・・本当に辞めさせたの?会社としては、大丈夫なの?私・・・迷惑掛けたよね?」
「元々、そろそろだとは思っていたんだよ。試用期間で終わる予定だったし。」
「ど、どうして?」
「あの人、Y会社の社長の子息なんだ。自分のところで騒動起こして、それでいられなくなったから預かってくれって兄さんに頼んで来たんだ。」
「そ、そんな人なら余計に・・・。」
「留美子さん、よく聞いて?試用期間で終わる予定だったって言ったよね?」
「う、うん、言った。」
「相手の社長も、期待してなかったんだよ。圭太さんが、あの人を社長のところにお返しするから問題ないから。」
「そうなの?えっ、お返し?」
「嫌がらせ、留美子さんだけじゃないんだ。」

その言葉を聞いて、私は先輩を見た。苦笑いをしている。

「黙っててごめんね?私は、結構露骨だったんだよね。ウチは・・・旦那を宥めるのが大変だった。」
「どんな事があったんですか?」
「子供作ったら楽出来るから良いですねって言われた。」
「そんな・・・。」
「元々、社長から言われてたから相談はしてたのよね。想像以上に浅慮過ぎて笑ったけど。まぁ、でも・・・ウチの秘書長がいい仕事してくれると思うからお任せしましょう。」
「はい。」
「それと、専務は留美子が頼ってくれるの待ってたのよ?何も言わなかったけれど。我慢強い留美子のこと、見守ってくれてた。」
「侑佑くん・・・ありがとう。」
「どういたしまして。・・・本音を言うと、少し寂しかったけどね。相談して貰えなくて。まぁ、でも・・・その寂しさは兄さんに罰を受けて貰う事で癒すから。」

んんっ?今、何って?

「罰ってどんな?」
「結婚式終わったら向こうで暫く滞在するでしょ?その滞在費を助力して貰おうかな。ねぇ?兄さん。嫌だなんて言わないよね?」


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