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好意は好意のままでは終わらない

第10章 マウント


「俺だって若気の至りと言うか、悪かったとは思っているんだ。お前の従姉妹と付き合ったのは。でも、その事でお前の友達がその事を回りに吹聴して・・・恵美子と別れてから、誰も俺と付き合おうとしない。簡単に浮気する最低なヤツだって、今でも・・・。」
「誰がそんな事言ったの?」
「上月や庄野だ。」

私にしては珍しく、高校からの陽キャの友人二人だ。そして、曲がった事が大嫌いな性格。

「俺だって、そろそろ誰かと付き合って結婚だってしたい。でも・・・誰も相手してくれない。この前なんか、職場の上司から紹介されたのに、直ぐに破談になった。なぁ、もういい加減許してくれよ。」
「昨日・・・恵美子がウチに来たの。相変わらず、私が上だとマウント取ってきたわよ?私の方が選ばれたんだって。恵美子とは親族だから、この先も言われ続けるのよ?そんな私の気持ちはどうなるの?捨てられたのは事実なんだから、黙って受け入れろって?死ぬまでずっと?」
「あ、いや・・・その・・・。」
「貴方が、社会に出ても誠意ある振舞いをしなかったのが原因じゃないのですか?こんな事を言っても、貴方のご友人たちは庇おうともしない。それが、結果なんだと思いますよ。ただ一つだけ・・・留美子さんと別れてくれて有難うございます。お陰で、僕にとって掛け替えのない女性と結婚出来ることになりました。」

元カレは、驚いた顔をして彼を見て・・・同伴している、友人たちに目を向けた。そして、その内の一人が溜め息を吐いてからこう言った。

「孝也、ずっと言えなかった事がある。お前・・・俺の彼女に手を出そうとしたよな?」
「えっ、お前も?」

もう一人も、驚いてそう口にした。

「他にも手を出そうとしてたのかよ・・・。友達の相手にすら遠慮なしか。」
「な、何言って・・・。」
「お調子者だって事は知ってたけど、それでもやっていい事と悪い事があるだろ。お前・・・俺たちを下に見てんの?」
「俺の方がイケメンだから俺に乗り換えろって言ったんだろ?だから、最近は一緒に遊ばなくしたんだ。」
「な、何言ってんだよ。女と俺とどっちの方を信じるんだよ。俺の方が付き合い長いだろ!!」
「「彼女の方に決まってんだろ。」」

二人揃って同じ文語だ。

「アハハ・・・二人は良かったな。まともな相手で。」







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