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好意は好意のままでは終わらない

第9章 冬期休暇


彼似の美形四人の息子・・・それはそれで、夢があるな。

「楽しいだろうね、そうなったら。」
「うん。」

イベントが終わり、私たちはマンションへと帰って来た。

「ねぇ、留美子さん。僕は五人でも構わないよ?」
「えっ?ご、五人?」
「愛し合う夫婦の結果が、その結晶になるんだもの。素敵なことだよね。」
「うん、そうだね。」
「早く結婚したいなぁ。そうしたら・・・もっと、深く愛し合えるのに。大好きだよ、留美子さん。」

その夜は、彼からの愛の限りを受けて楽しい夜となった。


お正月は、私の実家へ里帰り。一人で帰ろうとしたんだけど、彼が駄々を捏ねて離れたくないと言うことで二人の帰省となった。

丁度、従姉妹の三歳年下の母親の妹である叔母とその娘である森田 恵美子が来ていた。母娘揃ってのミーハーで、どうやら彼と会いたかったらしい。

ご対面するなり、母以上のフィーバーぶりに私は引き気味。そして、二人は彼の顔だけを見過ぎだ。

二人からは、「カッコいい・・・」しか、出ていない。

しかし、彼は私の母に南野家の料理を見せて欲しいとお願いしていた。美男子のエプロン姿は貴重だ。

「お義母さんの料理はとても美味しいですね。」

ニコニコしながら、美形と母が料理をしている。恵美子も参加しようとしたけれど、普段、家で何もしないからか参加出来ていない。

そして、彼は母をお義母さん呼びだ。父も同様で、二人揃って舞い上がっていた。

「留美子ちゃんは、何もしないでお客さんみたい。」

自分が我が母と彼との間に割り込めなかったから、私を卑下しに来たらしい。しかも、母娘仲良く私下げ。幾ら、身内とは言え随分な言いザマだ。

そこへ、軽く笑いながら彼がリビングへと現れた。手には、母お手製の骨付き鶏の煮物が入った器を持っている。

「留美子さんの手料理は、お母さん似だったんだね。さっき味見させて貰ったんだけど、ウチで作ってくれている味と同じだったよ。」
「えっ、ウチって・・・?」
「僕たち、同棲しているんですよ。僕の猛アタックで、留美子さんが折れてくれたんです。だって、留美子さんみたいな素敵な女性なら、他の男も放っておかないでしょう?それが心配で心配で。僕のプロポーズを受けてくれた時なんて、初めて神様に感謝したんですよね。」

あぁっ、母娘が揃って同じ顔をして口から魂出てきそうな顔してる。



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