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好意は好意のままでは終わらない

第1章 年下美男子に拾われました


「何処へ?」
「生活必需品揃えないとね。さ、後は僕に任せて。」

あちこちに連れまわされ、揃えに揃えた生活必需品。その全てが、この美男子こと高倉 侑佑のブラックカードでのお支払い。

必死に自分で支払うと言っても、笑顔でごり押しされ洋服や化粧品まで一式揃えられる始末。とんでもない金額が右から左に流れて行くのを、私はただ見ていることしか出来なかった。

「留美子さんって、思ってはいたけどやっぱり胸が大きいね。確かに、柔らかくて触り心地は至宝だったしいい匂いがっ!!」
「は、恥ずかしいことこんな往来で言わないで。」

彼の口を手で塞ぐと、青み掛かったその瞳が怪しく細められた。そんな仕草だけでも、無駄にエロい。

「フフ、可愛いなぁ留美子さんは。じゃあ、お昼は簡単なものしか食べられなかったから、そろそろ夕飯食べに行かない?今日はあちこち歩き回ったから疲れたでしょ?」
「そうね、お腹ペコペコ。侑佑くんは何が食べたい?」
「僕?留美子さんを食べたい。」
「なっ、こんな時にそんな冗談言わないでよ。」
「心外だなぁ、冗談なんかじゃないのに。」

だから、そんな事をそんないい笑顔を浮かべて言わないで。心臓に悪いから。それに、手はしっかり恋人繋ぎだ。これも彼にごり押しされた。

「留美子さんは、何が好き?」
「あ、あのね・・・ここら辺から離れていいかな?」

さっきは勇ましい事を考えていたけど、今はまだ元カレとご対面したくない。

「じゃあ、今日は僕が利用しているお店でいい?ウチのマンションの近くなんだ。」
「うん。あの・・・ありがとう。」
「可愛い僕の恋人のお願いだもの、当たり前でしょ。」

優しい笑みを浮かべては、私をその場から連れ出してくれた。向かった先は、路地を入った先にある隠れ家的な創作料理のお店だった。

テーブルを挟んで彼と顔を合わせる。こうして面と向かって顔を合わせると、本当にレベル違いの美男子を再確認させられる。元カレもイケメンの類だけど、彼はレベルが違い過ぎる。

今朝、目に入って来たあの彫刻かと思う程の腹筋の割れ具合や程よく付いた腕の筋肉。そして、意外にもゴツゴツした男性らしい大きな手。異性を感じさせる其の肢体に、どうしても目が向いてしまう。

「僕の体、好みそうで良かった。」

どうやら、見ていた事がバレていたらしい。



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