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好意は好意のままでは終わらない

第1章 年下美男子に拾われました


「ご、ごめんなさい・・・不躾だった。」
「謝る必要なんてないよ。僕は留美子さんのモノなんだから。何なら、脱いだほうがいいならいつでも言って?」
「えっ、そ、そ、そんな破廉恥なっ・・・。」
「お互いに全て知っているのだから、今更だよ。それで、メニューどうする?」
「侑佑くんのおススメは?私、初めてだし。」
「分かった。それじゃ、適当にオーダーするよ。」

備え付けのタブレットを使い、オーダーしていく。そして、今日は彼のおススメのワインも頼んだ。

「それにしても、今日が週末で良かったね。」
「うん。本当に侑佑くんにはお世話になりっぱなしで。」
「僕に気兼ねする必要なんてないんだよ。欲しいものがあったら、何でも言っていいから。」

さっきまでの買い出しの事を思い出して、遠い目をする私。あれ以上買ったら、私の神経が磨り減る。

「あ、あの・・・聞いてもいいかな?」
「何でも聞いてくれていいよ。」
「侑佑くんは、恋人はいなかったの?」
「いたけど僕はこんなだから、いつも最後はフラれるんだよね。前の彼女と別れたのは三か月前くらいかな。」
「こんなって?」
「彼女には僕だけを見てて欲しい。そう思ってる。だから、最後は面倒な性格だって言われてそれで終わり。」

こんな美男子が、まさかフラれるなんて・・・。しかし、綺麗な顔・・・そう言えば。

「侑佑くんって、ハーフか何か?」
「クォーターだよ。僕の祖母が、イギリス人なんだ。」
「綺麗な瞳してるなぁって思ってた。今も、その綺麗な瞳が私に向けられてちょっと心拍数が高い。」
「そうなの?逆に聞いていい?元カレは、束縛とか制限とかしなかったの?」
「あ~、うん。そういうの結構淡泊だったかも。半年前からは、それが顕著だった。私はもうちょっと・・・ったんだけどね。」
「僕は普段から好きとか愛してるとか言葉にするし、多分・・・人より束縛が強いんだと思う。好きな人には傍にいて欲しい。なるべく努力はするけど、重いと思ったら言って欲しい。」

少し寂しそうに呟く彼に、私は頷いた。




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