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好意は好意のままでは終わらない

第8章 社員旅行


ん?廊下側に座る彼の傍で立ち止まった?

「高倉専務、これ良かったらいつもお飲みになっているコーヒーです。」

いつも?マウント取ってる?

「キミってさ・・・秘書なのに、気が利かないんだね。それに、僕たちの分は社長に頼んでいるから他は必要ないよ。」
「侑佑くん、これでいいですよね?」
「圭太さん、ありがとう。兄さんは?」
「外で洋祐さんと電話されています。なので、私に託されました。」

本当に、社長が用意してくれたのか。

「ありがとうございます、相良さん。」
「いえ、お礼なら社長に。」

何処までも、社長を立てる人だな。

「それで、江藤さんはいつまでそこで突っ立っているつもりですか?他の人の邪魔になるので、座席に戻って下さい。」

流石、秘書長でもある相良に言われれば引き下がるを得ない。そして、そこへ社長が戻って来たので、私はお礼を言っておいた。

それから一時間後。目的地である温泉宿に到着した。社長は相良と同室らしい。

「本当に良かったのかな・・・同じ部屋にして貰って。」
「うん。皆も僕たちが結婚すること知っているから問題ないよ。」
「それならいいんだけど・・・。ねぇ・・・この部屋、露天風呂付なの?」
「うん。兄さんたちと僕たちの部屋だけだけどね。大丈夫、追徴分は僕が負担したし留美子さんの裸体は、僕だけが知っていればいいし余計な事をする輩がいるだろうからその牽制も含めてね。」
「えっと・・・うん、配慮ありがとう。私も、あの人たちと裸体の付き合いはしたくなかった。」

きっと、あの若造から悪意しかない言葉が周りに広められると思うもの。五年経てば、あんたも今の私と同じ歳になるのにね。

「夕食は大広間で宴会になっているから、それまでどうする?露天風呂入る?それとも、近場を散策でもする?」
「侑佑くんはどうしたい?」
「僕?僕はこの部屋で留美子さんとイチャイチャしたい。」
「それ一択?」
「うん。でもね、それじゃダメだと思うから・・・。」

それがダメだと分かっているから、判断を私に委ねてくれるのか。

「じゃあ、近場を散策したい。それで、写真撮りたい。」
「分かった。じゃあ、行こうか。」

宿で聞いた話しでは、近場には有名な神社や滝があるらしい。それと、宿場町もあるそうなので私たちは宿場町へと足を向けた。

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