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好意は好意のままでは終わらない

第6章 嫉妬


幼馴染は、彼の剣幕に恐れ戦いて逃げて行った。

「侑佑くん・・・。」
「もうこれで憂いはない・・・と言いたいけれど、まぁ一手投じておいたから問題ないかな。」
「えっ?どういう・・・。」
「僕は僕のことは何を言われても気にしない。でもね、留美子さんを傷つける相手には容赦しない。それに・・・そろそろ他人に構っている暇などないだろうから。」

帰りの車の中、私は彼から幼馴染がここへ来た理由を聞いた。

「結婚詐欺で訴えられてるのっ!!?」
「相手はあの人に入れ込んでいるみたいだから、結婚さえすれば訴えを取り下げるって言っているみたい。」
「相手はどんな人?」
「プロのゲーマーだよ。年齢は三十八歳。普段は家に籠っているらしいけれど、たまたま縁があってあの人と知り合って関係を持ってから羽振りがいいから良いように扱っていた相手。結婚も、お金を引き出させる為に付いていた嘘みたいだね。まぁ・・・嘘には出来ないみたいだけど。」
「そ、そうなの?」
「欲張った結果だよ。まぁ、男の方は入れ込んでいるから、他の男への慰謝料も立て替えてもいいと言っているから・・・。」
「今までの結果がこれなのね・・・。」
「自業自得だよ。多分、逃げられないだろうね。」
「そう・・・。」
「ホッとした?」
「正直に言って・・・そうだね。」
「ねぇ、僕が今までの男と同じだとは思ってなかったよね?」
「思ってたら、あの子のこと話したりしないわよ。」
「良かった。全力で、追い立てるから安心して?」
「まさかと思うけど・・・弁護士のお兄さんを・・・。」
「フフ、やはり留美子さんは聡いな。でも、犯罪を犯している訳じゃないから。」

それから一ヶ月後。実家から、幼馴染の結婚話しを聞いた。貢がせた額を聞いて、他人を馬鹿にし過ぎたなと思わざるを得なかった。

「それで、外出は夫同伴だって。」
「そこは信用ないから仕方ないんじゃない?それに、財布も持たせて貰えないだろうし。まぁ、あの契約書がある限り・・・逃げられないだろうね。」
「契約結婚を反故にしたら、慰謝料以上の金銭を支払うって話し?それは無理でしょ。三億だなんて。」
「見た目も気遣わさせて貰えなくなったから、浮気の心配もないだろうしね。」

一度だけ見せて貰った幼馴染の現状。上下スエット姿で、髪も一つに束ねただけ。化粧っけはなく、一気に老け込んだ容姿になった。
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