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好意は好意のままでは終わらない

第6章 嫉妬


「留美子さんにちょっかい掛けて来なければ、こんな事にならなかったんだよ。」
「侑佑くん・・・私、何って言えばいいか。」
「僕が怖い?」
「ううん。ただ、どうしてそこまでしてくれるのかって・・・。」
「愛しているからだよ。」
「私も、侑佑くんが好きよ。」
「うん、知ってる。でも、もっと僕に溺れて欲しい。」

あの後、幼馴染は子供も授かり家の中で閉じ込められての生活を送ることとなったらしい。

「・・・うん?今、何って?」
「披露宴の招待客が五百人。だから、変わりに結婚式は内輪だけで海外でやろうと思うんだ。どうかな?」
「想像していたけれど、予想より多くて吃驚。そっか、それもいいかもしれないね。」
「何処が良い?」
「う~ん・・・イギリス?」
「分かった。知り合いがいるし、手配して貰える様に頼んでみるよ。」
「そ、そんな簡単に決めていいの?」
「僕は留美子さんが思うようにしたいだけ。大丈夫、直ぐに手配するから。」

花嫁より、意欲的な彼。その数日後、場所をピックアップされて、その一つに決めることとなった。

「知り合いって?」
「僕の従兄弟で、圭太さんの妹の綾子さんだよ。」
「身内なんだね。」
「うん。向こうで仕事して住んでる。」
「どんな仕事?」
「高校の先生だよ。まぁ、相手が出来なくて独り身は寂しいって言っていたけれどね。」

それって・・・フラグ?

「あぁ、誤解がないように言っておくけど。金髪碧眼が綾子さんの好み。」
「そ、それなら良かった。」
「そう言う人と知り合う為に、留学してそのまま住んじゃった人だから。」

チラッと、彼を見る。金髪碧眼ではないけれど、見目はいい。

「留美子さんは、僕の顔が好み?」
「うん。」
「僕の身体も好きだよね?」
「否定しない。」
「僕は、留美子さんの全部が好きだよ。」

そう言っては、屈託なく笑う彼に私はなし崩しだ。

「ねぇ・・・食べていい?留美子さんが欲しい。」

甘えられれば、これまたなし崩しだ。熱を孕んだこの瞳に翻弄されて、私は彼からの愛情を甘受する。
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