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好意は好意のままでは終わらない

第5章 再会


「高倉?そう言えば、この会社の名前・・・。」
「えぇ、株式会社高倉で俺の兄が社長です。」
「そうなのか!な、何だよ。それならそうと最初から言ってくれれば良かったのに。これから世話になるからよろしくな。昔のよしみで頼む。」
「昔のよしみ?何か、あなたと俺って繋がりありましたっけ?」
「そんな冷たいこと言うなよ。ホラ、バーベキューの時に気遣ってやっただろ?」
「体調が悪いなら最初から参加なんかするなよ。俺に迷惑かけやがってって言った時のことですか?」

あの時の言葉、一言一句間違っていない。

「あ、あの時はちょっと気が動転してて・・・って、よく覚えてるよな。」
「俺って、記憶力いいんで。他にもありますよ?俺に媚び売る為に介抱しろって言ってんだろとか?部外者が誘われたからって、ノコノコ参加して大きな顔しやがってとか?」

元カレは、唇を噛みしめている。どうやら、社会人になって堪え性が成長したらしい。表情は伴っていないけれど。

「他の男に尻尾を振る阿婆擦れなんて、俺には必要ないって留美子さんを捨てましたよね?」
「お、お前が言ったのか?」

おお、私を睨みつける元カレ。

「たまたま聞いていたんですよ。あんたが留美子さんを傷つけるところを。その後、俺は留美子さんに謝罪しました。俺のせいだと思ったんで。その後は、色々な人に粉を掛けて・・・最後は、親の力で揉み消して貰っていましたよね?妊娠させたのに、手切り金だけ渡したりとか。」
「ど、どうしてそれを・・・。」
「日頃の行いのせいですよ。俺以外にも、それを知っているヤツはいましたし。でも・・・今の奥さん、その事を知っているんですか?」
「俺を強請るつもりか?」
「まさか。俺はただ、あんたのくだらない思惑で留美子さんを使われたくないだけ。何もしないのなら、このまま黙っていますよ。」
「な、何だよ。結局、お前らデキてたんじゃねぇか。あの時、俺が言ったのは間違って・・・。」
「留美子さんと再会したのは、最近です。まぁ、あんたが信じようがどうでもいいけど。」
「な、何だよ。俺にマウントでも取ろうと「おや、こんなところで何をしているのですか?」」

割って入って来たのは、社長秘書の相良 圭太。社長は・・・どうやら、いない様だ。私は一礼だけし、今カレはこう言った。
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