• テキストサイズ

好意は好意のままでは終わらない

第3章 社長と彼


急遽にも関わらず、遣って来たのはお座敷のある高級料亭。澄子先輩のスマホで見せて貰った旦那さんは、本物の方が二割増しでイケメンだった。でも、この人が社長?と思うほど、澄子先輩に甲斐甲斐しくお世話している。

「私のお世話している場合じゃないでしょうに。折角、お時間作ってくれたのよ?」
「分かったよ、澄ちゃん。改めまして、二か月ぶりですね。」
「そうですね。早速ですが、ご用件は?」
「お忙しい中、時間を作って頂きありがとうございます。ご用件と言いますのは、妻から聞いたウチの者との事です。そちらの女性と同棲していたと聞き及んでいます。そして、ウチの者が不義理を働いた事も。早速、彼の者の上司らと話し合いした結果、ウチの支社に行かせることになりました。」
「支社?」
「えぇ、支社です。」

社長同士で話し合いが為されていく。支社という名の、追放である。その支社には二人の従業員しかおらず、殆ど、そのまま飼い殺し状態になるそうだ。給料も下がり、支社の周りは集落と呼べる村。買い出しは車で最低一時間は走らないと行けないらしい。

「それで、南野さん。」
「は、はい。」
「こんな事で貴女の心の傷を緩和出来るとは思ってはいませんが、後はそちらの従業員の処遇のこともありますので話し合いをして頂きたいのです。」

あの後輩のことを言っているのだろう。

「は、話し合いですか。えっと、社長はどのようなお考えなのでしょう?」

チラッと、ウチの社長の顔を見る。

「ウチには、倉庫管理の部署があるのを知っているかな?」
「はい。」
「そこには優秀な人材がいるんだ。そこで、扱いて貰う。」
「そ、そうですか。」
「それから・・・毎日、PCの画面にあのメールのやり取りを日替わりでディスクトップに出る様に侑佑に設定させる。随分、生生しいやり取りもあるからメンタルにくるかもしれないね。」

容赦ない。どんな内容だったのだろう?

「内容が気になる?」

彼がフト、会話に入って来た。

「実質、ここは内輪って認識だから少しだけ教えてあげる。う~ん、先ずは・・・。」

幾つかの内容を聞いて、私も澄子先輩も唖然。

「随分、お盛んだよねぇ。」

そうですね・・・としか言いようがない。話し合いが終われば、後は団欒の時間。豪華な食事を頂き帰宅。
/ 75ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp