第1章 🌱𓂃 𓈒
「俺でよければ協力するよ」
「本当ですか!」
「ああ、もちろん。キズ薬はトレーナーにとって欠かせないアイテムだ、いつでもデータを取りに来てくれて構わない」
それに、と付け加えると、ダンデはユウリの瞳を覗き込むように顔を寄せ、笑んだ。
「君に会えるのは嬉しいからね」
(ち…近い…)
ダンデはパーソナルスペースが狭い人なのか、突然距離を詰めて話しかけてくるものだから、男性慣れしていないユウリは真っ赤になって縮こまってしまう。
「さっきも言ったけど、ダンデくんは困っていたら助けてくれるタイプだから安心して頼ったらいいよ」
ソニアはそう言うと、彼女の手を取って、ぎゅっと握った。
その手は温かくて柔らかい。
「ソニア、ありがとう。
ダンデさん、よろしくお願いします」
「こちらこそ」
こうして二人は連絡先を交換し、また会う日取りをきめることになった。