第4章 🌵
その日はお互いに仕事があるため、その場で別れ、ユウリは着替えるために一度帰宅した。
着替えと準備を済ませ、研究所に戻ると、そこにはプラターヌ博士が待っていた。
「やぁ、ユウリさん。いい朝だ」
「プラターヌ博士!おはようございます」
ユウリは嬉しそうに駆け寄る。
「てっきりもう帰られたかと」
「夜の便だったのでね。今日は休みを取ったんだよ、
それより昨日は大丈夫だったのか?」
「あ…はい、怪我はありません」
「そうか、それならよかった」
「ご心配をおかけしました」
「気にしないでくれ。ところで、ちょっと話したいことがあるんだけどいいかい?」
「もちろんです」
「じゃあ研究所のカフェテリアに移動しよう」
二人はカフェテリアに移動すると、コーヒーを注文する。
席に着くと、プラターヌは一呼吸おいてから切り出した。
「実は今度、新しいプロジェクトを始動することになったんだ」
「新しいプロジェクトですか?」
「ああ。ポケモンを人の手で進化させる研究だ」
「それは…そんなこと可能なんですか?」
「論理ではね
なかなかうまくいかないことが多くてね。
そこで、君にアドバイザーとして協力してほしいんだ」
「私なんかでいいんでしょうか」
「もちろんだよ。むしろ、私程の適任者はいないと思っている」
恐縮です…とユウリは照れる。
けれど研究チームに入るということは、カロス地方に転勤するということだ…。
ガラルからなら飛行機で数時間だが、まだキズぐすりの改良がある。
何もかも中途半端なのは良くないし、自分はいくつも仕事を抱えれるほど器用ではない。
どうしようか迷っていると、プラターヌが言った。
「突然で驚いただろう。
けれど、これは以前から考えていたことでね。
できれば来週までに返事がほしいな」
「わかりました。少し考えさせてもらってもいいですか?」
「もちろんだとも。じっくり考えてみてくれ」
プラターヌは立ち上がると、ユウリの頭をポンッと軽く撫でた。
「これからも君の若く前衛的な力が必要だ。よろしく頼むよ」
そう言い残して立ち去った。