第4章 🌵
目が覚めると、カーテンの隙間から朝日が差し込んでいた。
隣を見ると、まだ眠っているダンデの姿
昨晩のことを思い出し、ユウリは顔が熱くなってしまう。
布団がわりにかけられたダンデのマントに顔を埋めた。
「ダンデさん……」
起こさないようにそーっと腕枕された彼の手に触れてみると、とても大きく、ゴツゴツとしている。
皮膚は滑らかで、所々に傷跡があり、
それは彼がいくつもの死線を潜り抜けてきた証であり、同時に英雄と呼ばれるほどの実力を持った男の勲章だった。
(手のひら…熱い…)
初めて会った時、握手を交わしたことを思い出す。
あの時はまさか自分が彼とこういう関係になるなんて思いもしなかった。
昨日彼が見せた妖艶な表情が途端にフラッシュバックして頬が熱くなってしまうユウリ。
ふいに視線を感じて目を向けると、ダンデが目を開けていた。
「ダ、ダンデさん!?いつから起きて…」
「おはよう、ユウリ。
赤くなったりしている君を見るのは楽しかったよ」
ダンデはニヤリと笑ってユウリのおでこに口づけをする。
「お、おはようございます……」
「それで?なんでそんなに照れてるんだ?」
「え、あ……その……」
恥ずかしくて言えずにいると、ダンデが覆い被さってきてキスをした。
「昨夜みたいな君は俺だけのものだって言ってくれるか?」
「そんな…もちろんです…」
「嬉しいよ、ユウリ。」
ダンデはそう言うと、再び唇を重ねてくる。
(ダンデさん…本当に優しい…
こんなに幸せでいいのかな)