第3章 🍀 ̖́-
「それとも他の男に触れさせて、俺を煽っているのか?」
ダンデは彼女の手をとると、先程プラターヌに口付けされた所を指先で拭う。
「だ、ダンデさん…もう…私…」
離れようとするが、腰を抱かれたままだったためそれは叶わない。
「他はどこに触れられた?髪先と…他には?」
男は髪の束を一房手に取り、唇をつける…。
「だ、ダメです!こんな所で……」
「じゃあ、どこならいい?」
ユウリは顔を上げ、ダンデを見る。
彼女の瞳には涙の膜ができていた。
「お、お願いします。これ以上…おかしくなりたくない…
私はただ……せめて普通に接したいんです…
なのに……なんで……」
その言葉が終わる前に、ダンデはユウリの頬を撫でた。
「あぁ…君は泣いたらもっと美しいんだな」
そんな言葉と同時に、エレベーターが開くと、ダンデは彼女の腕を引き、自分の控室のドアを開くと、部屋の中に彼女を押し込む。
「ダンデさん!?何を……」
扉が閉まると、ダンデは壁にユウリを押しつけ、抱き締めた。
「んっ…」
突然のことに驚いて抵抗するが、力が強く、身動きができない。
「さっきのような優男が好みかい?」
ダンデはそう言うと、ユウリの顎を掴み、顔を上に向けさせる。
「君を見ていると俺はおかしくなりそうだ」
また、グッと抱きしめられてダンデの高い鼻が首元をくすぐった。
「やっ……」
そのまま、ダンデの顔が近づいて
キスされると思った瞬間、ユウリはダンデの胸を両手で押し返していた。
「だめ……」
「嫌なのか?」
ダンデの声は低く、切なそうな響きを持っていた。
(ズルい…)
こんな声を出すなんて……ずるい。
「こんなところ、誰かに見られたら……」
「鍵ならかけた」
ダンデはユウリの首にチュッと
口づける。
「やっ……」
「俺を拒む理由はそれかい?だったら心配はいらない。ここには誰も来ないよ」
「でも……」
「もし誰か来たとしても、辞めてやれそうにもないが」
ダンデはクスリと笑うと、ユウリの白衣をずらす。