第3章 🍀 ̖́-
最上階に向かうエレベーター内で、やっとダンデは彼女を下ろすが、手と肩はつかんだままで、小さなユウリを見下ろした。
「君に怪我がなく良かったよ」
「あの…ありがとうございます…」
お礼を言って身体を離そうとするユウリに、ダンデはグッと腕の力を込めて逃げられないように腰を引き寄せた。
「……っ!」
大きな腕に抱き締められて、ユウリは首まで真っ赤になりながらダンデから目を逸らす。
「そんな可愛い反応をされると、期待してしまうな」
耳元で囁かれて、心臓がドクン、と跳ねた。
誰もいないエレベーター内で、自分の心音だけがやけに大きく聞こえる。
これでは抱きしめられているようなものだ。誰かに見られたらどうしよう?
ユウリはどうにかダンデを見上げると泣きそうな顔をしながら口を開いた。
「ダンデさん…からかわないでください…
私…そういう冗談は嫌いです…」
「どうして冗談だなんて言うんだい?」
「だって……」
ダンデに真っ直ぐに見つめられるが、恥ずかしくて直視できない。
「私みたいな田舎の子、ダンデさんが気にかけるはずありません…
だって、ダンデさんは…チャンピオンで、
みんなの憧れで…優しくて…かっこよくて…だから…私なんか…」
俯きながら、必死になって言葉を紡ぐユウリを見て、ダンデは微笑む。
「君は本当に面白いな」
そして、ダンデの大きな手が頬に触れ、親指が唇をなぞった。
「そんなこと気にして、俺の気持ちには応えてくれないのか?」
ダンデの言葉に、ユウリは目を見開く