第3章 🍀 ̖́-
「ユウリさんって、ソニアさんとか、ダンデさんとも知り合いですごいですね!」
「うん……まぁ…でも凄いのは2人で私はそんな事ないよ…」
ユウリは曖昧な返事をした。
医療センターの中を説明しながら、サトシとゴウに質問攻めにあっている。
(どうしよう……私の研究に興味を持って貰えてすごく嬉しいんだけど……)
二人のキラキラとした目を見ると罪悪感が湧き上がってくるのだ。
(ダンデさんとソニアに素っ気ない態度とっちゃった…)
しかし、今二人が一緒にいるところを見てしまうと、どんな顔をしていれば良いのか分からない。
それにサトシやゴウのような無垢な子供を見ていると、自分が汚い大人だと思えてきて落ち込んでしまう。
(私も…この子達みたいに、『好き』に素直になれたらなぁ…)
心ここに在らず、ユウリがぼんやりしていると「ユウリさん」と背後から声をかけられ、ビクッとする。
振り向くと、そこには顔立ちの整った黒髪の白衣を纏った男がいた。
「プラターヌ博士!?お久しぶりです…」
「やぁ、久しぶりだね」
プラターヌはユウリの手を取ると、その手の甲に軽く口づけを落とす。
カロス地方の男性はキザでロマンチストが多く、これは彼なりの挨拶だとユウリは古い付き合いから知っていたので驚くこともなかった。