第3章 🍀 ̖́-
数日後、ユウリはバトルタワー内の研究所へ出勤していた。
彼女はダンデを避けるためにいつもより早く来ており、まだ誰もいないバトルタワーの廊下を歩いている。
扉を開けると、ソニアがこちらを振り向いた。
「あ!ユウリきたきた」
「わっ、ソニア?!どうしたのこんな早くに」
「今日はちょっと用事があって早めに来たの」
紹介するね、と言うソニアの影から出てきたのは、少年二人。
「初めまして!ユウリさん!オレ、サトシって言います!」
「オレは、ゴウです」
二人は元気よく自己紹介をする。
「この子達、今度の学会にお呼ばれしているの。
今日はバトルタワー内の医療センターを見学させてあげたくって」
「そうなんです!」
「そうなんだ、もちろんいいよ。
えっと…サトシくん、ゴウくん。
センターのユウリです。よろしくね」
握手を返すと、サトシは嬉しそうに笑う。
すると突然、後ろでドアの閉まる音がしてユウリは振り返った。
視線の先に現れたのは、会いたくないと思っていたダンデ。
彼を見た瞬間、ユウリの心臓は大きく跳ね、思わず目を逸らしてしまう。
「やぁ、ユウリ、ソニア」
「おはよう、ダンデくん」
ソニアが挨拶を返し、ダンデはユウリの方を見る。
「この間はありがとう」
「あ…いえ…こちらこそです…」
会話をなんとか続けるが、ぎこちない雰囲気になってしまい、ユウリは慌てて書類をデスクから手に取った。
「あの、私……そろそろ行かないとなので……」
その場の雰囲気に耐えきれず、彼女はサトシたちに向き直ると、グッと彼らの腕を掴む。
「二人とも、あの…センター!案内するよ…行こう!」
憧れのチャンピオンに後ろ髪をひかれながらも、ユウリに腕を引かれた二人は部屋を出ていく。
その様子を見ていたソニアが、ダンデに話しかけた。