第3章 🍀 ̖́-
「ユウリは随分ソニアのことを気に入っているようだな」
「まぁね!研究仲間だし、色々相談にも乗ってくれてるし、ユウリとは結構仲いいよ」
「ふぅん……それはよかった」
「あれ?もしかしてヤキモチ?」
「違う。ただ……さっき、彼女の髪に触れていたのが俺だけじゃないことに少しムカついただけだ」
ダンデはそう言ってそっぽを向いたが、ソニアは嬉しそうに笑みを浮かべた。
「なんか嬉しいなぁ」
「何が?」
「ダンデくんに嫉妬されるの」
「俺の好きは、ソニアがユウリを好きなのとはちがうんだぞ?」
「わかってるよ。でもダンデくんにライバル意識を持たれるのって…懐かしくて嬉しい」
ソニアは満面の笑顔で答える。
「そういうものか……」
ダンデは照れ臭そうに頬をかくと、再び口を開く。
「さっき、髪を解いたユウリを見た時…
その場にいる全員を押し退けて彼女を隠したいと思ったんだ」
「独占欲ってやつだね」
「そうだな…
でもそんなに生易しくない感情かもしれない」
「…というと?」
ソニアが問いかけると、ダンデはウィスキーを一気に煽り、続けた。
「ユウリのことが欲しい。彼女だけが欲しい。
誰にも渡したくない。俺だけのものにしたい。」
ダンデはゆっくりとソニアの目を見つめながら続ける
「バカだと思うかもしれないが
俺は…時々、彼女がポケモンだったらいいのに…と思うんだ」
グラスに残った丸い氷が、薄いグラスに当たってカランと音を立てる。
それを見つめながらダンデの口元は次句を開いた。
「そうしたら、ずっと…ボールの中に閉じ込めて、俺だけのものにできるのにって…。」