第2章 🌿 ܸ
フィールドの裏に戻ってからも、ユウリは先程のことを思い出し、悶々と考えていた。
「なにかあったの?」
「え!?」
突然話しかけられ驚いて振り向くと、そこにはがソニアが立っていた。
「結構データ集まってきた?」
「あ、うん!
本当にソニアとダンデさんのおかげだよ。このままだと来年にでも実用化できそうなの」
ソニアには楽しげに話しかけるユウリ。
「あ、待って、ユウリ髪に芝生が結構ついてるかも…」
「え、ほんと?」
「うん…取ってあげるから髪ほどいていい?」
「お願い」
そう言ってユウリが髪を結っていたリボンを解く。
すると、長い黒髪がふわりと肩にかかる。
(うわぁ……綺麗……)
その美しさにソニアは思わず目を奪われる。
ずっと研究所で研究ばかりしていたせいで日焼けしていない白い肌に、艶のある黒い髪がよく映えている。
と、その時後ろでガタン!と大きな音がして、二人は振り返った。
「ダンデくん」
そこに居たのはダンデだった。
二人に声をかけようとしたのだろう。しかし、彼はそのまま固まってしまったかのように動かない。
「……」
「ダンデさん、どうかしましたか?」
「いや……その…」
ダンデは言葉を詰まらせる。
「ソ、ソニア…この後時間あるか…」
「へ?あ、うん」
「よかったら、二人で話せないか……?」
ダンデは顔を赤く染め、ユウリから目線を逸らす。
「わかった、じゃあ後でね」
ダンデの様子を見て、ソニアはクスッと笑みをこぼした。
「じゃあ、またあとでね。
あ、ユウリ、芝生取れたよ」
「あ…うん…ありがとう」
ユウリはぎこちなく返事をする。
「それでは私はこれで……失礼します……」
ぺこりと頭を下げ、ユウリは逃げ去るようにその場を去った。