第2章 🌿 ܸ
「さすがチャンピオンだなぁ?
初っ端から同じドラゴンタイプを繰り出すとは……」
「キミの実力も大したものだ。
俺を楽しませてくれないと困るぜ?」
「フッ……ならば全力で楽しましてやるよ」
二人の視線がぶつかり合う。
そして、同時にボールを構えた。
「いくぜ!! ダイマックスだ!」
「こちらもだ! キョダイゲンスイ!」
2匹の巨大な炎の竜が現れ、激しく衝突する。
熱風が吹き荒れ、激しい爆発音が鳴り響く。
(すごい……)
その迫力に圧倒されつつも、目が離せない。
ユウリは目の前の光景に魅入っていた。
(すごい…すごい!バトルってこんなに…)
ずっと研究所に居たユウリにとって、今までの日常では味わえなかった感覚だった。
ダンデが指示を出す度にリザードンが動き、相手の技を相殺したり避けたりする度、スタジアム全体が揺れているのではないかと思うほど大きな振動が伝わってくる。
自分の目で見る世界が……全く違うものに見えてきた。
この興奮を共有したい。
ポケモンたちをもっともっと助けたい、
自分の作ったキズ薬でトレーナーたちの、ポケモンたちの試合をサポートしたい。