第2章 🌿 ܸ
「さぁ、いこうか!」
ダンデがスタジアムに入ると、観客の歓声が沸き上がる。
ダンデはそれに手を上げて応えながらフィールドに入る。
ユウリはフィールドの手前の壁に隠れるように立つと、
ダンデは突然彼女に振り向いて、脱いだマントを投げかけた。
『持ってて』
とその唇が動く。
ユウリはブワッと身体中の血液が一気に巡るのを感じた。
受け止めたマントからはダンデの香りがして…
(…刺激が…強すぎる)
今すぐ逃げ出したい気持ちになってしまう。こんなドキドキしていたら、歓声のなかでもダンデさんに気付かれてしまうんじゃないだろうか?
今日の相手は現ガラルポケモンリーグ最強と呼ばれるジムリーダー。
ダンデのバトルスタイルと似ている部分もあり、とてもやりがいのある勝負になりそうだ。
ダンデはボールを一つ手に取る。
「いけ! リザードン!」
モンスターボールを投げると中からリザードンが出てくる。
リザードンは翼を広げて威嚇するように吠える。
「ガァア!!」
「頼んだぞ!」
ダンデが声をかけると、リザードンは大きく羽ばたいて上空に飛び上がった。