第2章 🌿 ܸ
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「それで、今日は何をすればいいかな?」
「あ、えっと…とりあえず普段通りで…。
これが改良後のキズ薬です。
キズ薬を使用したポケモンはボールのまま預からせていただいて奥のセンターでデータ計測させていただきます。」
「わかった。よろしく頼むぜ」
ダンデはそう言って笑みを浮かべた。
「はい、こちらこそ」
ユウリも笑い返すが、
突然ダンデが一歩距離を詰め、近くなったことでドキリとする。
あれ以来、ダンデは何も言って来ないが、こうして二人きりになると…
(やっぱり近い…)
「ユウリ、今日はこのまま試合を見ていってくれないか?」
「…え?」
「いつも奥のガラス越しに見ているだろう?
今日は俺の後ろで見てて欲しいんだ。」
「そ、それは……ちょっと緊張しますね」
ユウリは照れたように笑う。
「……ダメかい?」
ダンデは嬉しそうに微笑むと、ユウリの頭をポンと軽く撫でた。
「大丈夫、絶対怖い目には合わせない。」
ダンデの自信満々な表情に、ユウリはくすりと笑って、わかりました、と答えた。