第2章 🌿 ܸ
そして、いつものように笑顔を向ける。
「それが言いたかったんだ。
じゃあ、また今度」
「……ぁ」
それだけ言い残すと、彼はリザードンに乗ってそのままどこかへ飛んでいってしまった。
残されたユウリは彼の消えた方向をただ茫然と眺めていることしかできずにいる…。
(…もう、言わないって…それって…)
ユウリは胸を押さえると、ゆっくりと息を吸う。
「終わっちゃった…」
呟くと、胸の奥がズキン、と痛くなった。
せっかく好きになってもらったのに、勇気を出せず拒否した結果になったのは自分のせいだ。
ダンデにはダンデの人生がある。
華やかで、光の中を進む人生だ…自分のとは違う。
「これで…よかったんだよね…」
そう、自分に言い聞かせても、胸の痛みは増すばかり。
ユウリはその場にうずくまって静かに涙をこぼすのだった。