第2章 🌿 ܸ
少し歩いた先で、人気がまばらになった頃、ダンデはユウリに向き合うと、バツが悪そうな顔をする。
「この間は…悪かった」
「…え」
「突然、あんなことを言われても困ってしまうよな。君の気持ちを考えれてなかった」
「いえ…その…わたし…」
ユウリは何と言っていいのかわからず、口籠る。
自分自身の感情が正しいのか分からない。
自分なんかが、ダンデさんを好きになっていいのか分からない。
さっきみたいにダンデさんを好きな人たちが、私のような地味な女と一緒にいるのを見たら残念に思うんじゃないだろうか?
伝えたい言葉はあるのに二の足を踏んで出てこない。
結果的に黙り込んでしまったユウリにダンデは優しく微笑む。
「俺のことを嫌いじゃないなら……これからもこうして会ってくれないか」
「あ……」
ユウリは思わず声を漏らす。
「ダメかい?」
「……ううん。嬉しいです。ありがとうございます」
「よかった」
ダンデはほっとした表情を見せると、ユウリの手をすくい上げるように握った。
「好きだよ、ユウリ」
「……っ!」
真っ直ぐに告げられる愛の言葉に、ユウリの顔が赤くなる。
「でも、もう言わないでおくよ。
君を困らせたくないんだ。」
ダンデはそう言うと、手を離した。